赤あざ
赤あざは「血管腫」と呼ばれ、皮膚の血管が膨らんだり増えたりしてできたものです。
生まれつきによるものと、生まれてからしばらくして出来てくるものがあります。
生まれつき(先天性)のものが多いですが、決して珍しいものではなく、レーザー治療もかなり進歩していますので、積極的にレーザー治療にチャレンジすべきという考え方が愛知医大青山流です。
いちご状血管腫(乳児血管腫)
- 治療前
- 治療後
- 治療前
- 治療後
- 治療前
- 治療後
いちご状血管腫(乳児血管腫)
毛細血管が増えて膨らんだものです。
生まれつきのあざではなく、生まれてすぐかちょっとしてから出てきます。
表面がイチゴみたいな見かけになって赤く盛り上がり、ぐんぐん大きくなります。
大人になるにつれて数年かけてイチゴがしなびるような感じに赤みが抜けてしぼみます。
以前は病院で相談しても経過観察(というか放置)していたのですが、しこりや跡は残ってしまうのが悩みの種でした。
1. 多くの患者さんが0歳から治療をスタートします。
愛知医大青山流では乳児の時期から積極的にレーザー治療することで、イチゴ状に育つのを防ぎ、良い成績を出しています。
2. レーザー開始のタイミングを専門医が判断します。
経過観察で済む赤ちゃんは専門医が責任をもって経過観察をします。注射薬で小さくできるものや飲み薬で小さくできるものもありますので、専門医がアドバイスします。そして、ここぞというタイミングでレーザー治療を行います。
生後、外出可能になりましたら、お早めにご相談ください。
3. 3か月に1回のペースでレーザーをあてます
基本的には3か月に1回、場合によっては1~2か月のペースでレーザーをあてます。特に生後6か月まではイチゴ状にすくすく育っていく時期ですので、ここでレーザーをピッピッあてることで、増殖をぐっと抑えることができるのです。
完全に無くなるか、十分目立たないレベルになったら卒業です。3~6回あてることが多いです。
単純性血管腫
真皮と呼ばれる部分にある、毛細血管で作られた良性のおできです。多くは盛り上がりはなく、まわりの正常な皮膚との境目がくっきりしていて、赤みの色合いもムラがないタイプです。
毛細血管の集まりが皮膚のどのくらいの深さにあるかで、明るいピンク色だったり濃い紫色だったりと色合いが決まります。
生まれたときからあり、自然に消えることはありません。
大人になるにつれて皮膚が分厚くなるので、その分目立たなくなることもあります。
逆に色が濃くなる場合もありますし、ものによってはコブのような形をしていることもあります。(つまりいろいろあるということですね。)
単純性血管腫
- 治療前
- 治療後
- 治療前
- 治療後
- 治療前
- 治療後
- 治療前
- 治療後
1. 乳幼児期にレーザー治療を受ければ、7割強の成績で薄くできます。
愛知医大形成外科で特に取り組んできたテーマで、皮膚の薄い乳幼児期にレーザーをあてることで成績をあげてきました。
どうぞ迷うことなく専門医のもとへGoです。3歳までなら全身麻酔なしで外来治療が有効です。
2. で、レーザー治療はどんな感じ
当院では最新機種のVbeamIIを採用しています。レーザーを当てる前に痛み止めクリームや痛み止めシールを貼って準備をしますので、痛みのコントロールは可能です。あとはお子さんが怖がらないように気さくな先生が明るいムードでレーザーをあてていきます。
レーザーをあてた瞬間、青いグレー色に変色し、その後は黒色っぽく変化します。1週間くらいたつと深い赤色になってきます。
レーザーをあてたときは、軽く水ぶくれっぽくなりますが1~2週間で皮膚がもどり、その後1~2か月かけて赤みが薄くなってきます。
皮膚がもどるまでの1~2週間は、塗り薬を塗ってガーゼで保護します。
3. かならず専門医の施設へ相談
昔の医学書にはドライアイスをあてるとか、電気で焼くとか、放射線をあてるとか書いてあります。
これらの方法はデメリットが少なくなく、最新型レーザーより成績が良いことはまずありません。
必ず、レーザー専門医の最新型レーザーを選択すべきでしょう。
4. いつやるのがいいの?
レーザーの痛みを和らげるために、痛みどめクリームやシールを使用します。
3歳をすぎるとお子さんの力が強くなるので、怖がって治療が難しい場合があります。
通常5~6回は繰り返す必要がありますので、早いスタートが肝心です。
小さい子の毛細血管はレーザー治療に反応しやすく、体も小さいく面積も狭いのでレーザーをピッピッとあてるのも短時間ですみます。
5. 大人はどうなんですか?
大人の方で、色あいの変化したものや盛り上がったものは、治療に抵抗することもありますが、それでもコツコツレーザーをあてることで、改善をみることができますので、最新型レーザーの専門医までGo!です。
レーザーでは対応できない場合も、当クリニックでは前形成外科准教授の竹市をはじめ、現役形成外科医のコネクションを豊富に持っていますので、手術的に取り除くことも可能です。
サーモンパッチ
魚の名前がついていますが、赤ちゃんのおでこの真ん中にパッチ(貼りつけた)した感じに見えるので、サーモンパッチという名前がついたそうです。
その他、まぶたの上や、上くちびるなど、目立つところにできるので、治せないかとご相談が多いです。
1. 新生児の約30%にみられます
産婦人科さんでもよく見かけますね。指で押さえてみると色が一瞬消えて元に戻ります。
赤ちゃんが怒ったり、泣いたりすると、色が濃く見えたりします。
2. 多くの場合が1歳1歳半くらいで薄くなってきます。
そうはいっても、ネットの情報だけでは心配ですよね。どうぞ専門医に相談して安心しましょう。
3. 残ってしまうタイプに要注意
大人になっても残ってしまうケースは、おでこから眉の間にかけて赤みが広がっているケースで、こちらは専門医と相談してレーザー治療を考えます。
ウンナ母斑
うなじから頭の後ろに現れる赤あざです。凸凹はなく、平らでふわっと赤い感じです。
絶対に落としてはいけないと、大事に大事に運んできてくれたコウノトリのくちばしのあとだと、医局長から教わりました。
1. 3歳が目安
3歳くらいまでに自然に消えるといわれていますが、サーモンパッチよりは残る確率が高いようです。それでも悪性になることはないので、その点では安心です。頭の後ろだけだと髪の毛で隠れてしまうので、残ってもそのままにしている方も少なくなく、年ごろになってから相談にいらっしゃる方が多いです。
2. 自然に消えるかは五分五分
半分くらいの方は、大人になっても残ってしまいます。頭の中は髪の毛で隠れますし、うなじの部分は割と目立ちにくいですが、気になる場合にはレーザー治療をします。
3. レーザーあてて髪の毛は大丈夫?
髪の毛にレーザーあてたら火事になりませんか?とご質問を受けます。効果的な治療のために治療部分の髪の毛を剃りますが、レーザーは毛根をターゲットにするタイプではありませんので、薄毛になる心配はありません。