単に耳が小さい(あるいは欠損する)だけでなく、耳の穴がふさがり聴力低下があったり、顔面が小耳症の側だけ小さくなったり、顔を動かす顔面神経が麻痺して眉毛が下がり目の開き方に左右差が出たりと、多彩な症状を示します。これらの事象は、小耳症がもともと胎生期における第一第二鰓弓の発達障害に起因するからです。第一第二鰓弓は主に顔面の基となる部位です。ここの問題なので耳だけでなく、顔の骨や神経にも影響が出てくるのです。顔面は耳や眼、鼻、顔の骨といった複数の要素で構成されています。これを耳、顔の骨と別個に治療したのでは、相互の位置関係が狂ったり、一か所が皮膚を引っ張りすぎて他の
部位の治療が行いにくくなったりします。即ち、全ての治療を開始する前から一連の治療全体を俯瞰的に見て治療計画を立て、一貫した治療を行う必要があります。当院での小耳症の治療はコンピューターに支援された形成外科手術を関連の病院(若葉病院小耳症センター、一宮市民病院耳鼻咽喉科、さくら美容外科、ゆりクリニック名古屋東)と連携して治療を行います。