皮膚移植
レーザーで消すことができなく、しかも切り取り法では縫い縮められない場合には、皮膚移植や組織拡張器による手術もあります。
1. 皮膚移植(スキングラフト法)
背中一面の刺青など縫い縮めることが不可能な場合や1度で確実に切除したい場合に行ないます。
手術方法
刺青部分及び皮膚採取部に注射で局所麻酔をしてから行います。
広範囲の場合は全身麻酔にて行なうこともあります。
まず、専用の剃刀で刺青を少しづつ切り取ります。
深い部分はより深くまで、浅い部分は必要以上に取りすぎないよう、 場所や色などにより削る深さは変えていきます。
一通り切除を終え、出血を止めた後、皮膚を採取します。
これも専用の剃刀で約1~2ミリ厚で取ります。
それを、移植しステープラー(ホッチキスのようなもの)で固定し包帯をあてて終了です。
手術時間は大きさにもよりますが、30分から1時間程度です。
手術経過
手術後約1週間で移植した皮膚は生着します。
約1週間後来院してもらい、包帯を開けます。
そして移植した皮膚を固定したステープラーを取ります。
あとは、1~2週間程度軟膏を塗っておけば自然に治っていきます。
但し、手術後1~2週間の間、安静にしていなかったり、
患部をぶつけたりすると移植した皮膚が生着せずに新たに傷ができてしまうこともありますので、
特に手術後数日間の安静が必要です。
肉体労働やスポーツは手術後最低5日程度控えた方が良いです。
注意点
傷跡は少なからず残り、全く元通りにはなるわけではありません。
場合によっては肥厚性瘢痕になることがあります。
傷跡が残った場合の言い訳についても前もって検討する必要があります。
2. 組織拡張器(ティッシュエキスパンダー法)
竹市夢二ドクターの真骨頂、風船を体に埋め込んで皮膚を伸ばしてから一気にタトゥーを処分します。
手術方法
【初回手術】
刺青部分の付近に注射で局所麻酔をしてから行います。
メスで切れ目をいれ、そこからティッシュエキスパンダーという、シリコンの風船を入れます。
切れ目を縫合して終了です。
【途中】
埋め込んだ風船は萎んだままですので、週1回程度の割合でお水を追加注入して膨らませます。
風船が膨らんで皮膚がぱっつんぱっつんになってくると、皮膚がのびてきます。
十分にのびたら、最終手術に入ります。
【最終手術】
前回の切れ目をまた切開し、風船を取り出します。
皮膚がたるんたるんになっていますので、タトゥーを切り取ったあとでも、
楽ちんに縫合することができます。